半導体株で、僕は2026年の前半に2回勝って1回負けました。キオクシアの中期トレードで+224,930円、2回目のキオクシアで+20万円、そしてマイクロンで−20万円の損切りです。トータルではプラスですが、内容を振り返ると反省材料しか出てきませんでした。この記事は自慢話ではなく、次に同じ相場が来たときに同じ失敗をしないための記録です。
1ヶ月で+80%になったとき、僕は嬉しくなかった
キオクシアを買ったのは2026年5月です。理由はシンプルで、AIデータセンター向けの投資が少なくとも3年は伸びるというシナリオを自分の言葉で説明できたからでした。株価は適正付近だと感じていましたが、それ以上に上昇の勢いが強く、地合いも良かった。
1ヶ月後、含み益は+80%になっていました。ただ、素直に喜べませんでした。自分の分析が当たったのか、単に相場が良かっただけなのか、区別がつかないからです。臆病な性格なので、理由の分からない利益はいちばん怖い。
このとき決めていた売却条件は2つだけでした。ハイパースケーラーのAI投資が減速したとき、そして台湾有事などでシナリオそのものが崩れたとき。逆に言えば「天井で売る」という条件は最初から持っていませんでした。天井は誰にも分からないからです。
+224,930円の中身と、いちばん大きな反省点
実際の動きはこうです。5月に上昇とモメンタムを確認して購入し、10万円到達を予想。6月中旬に11万円をつけたあと下落を確認して売却しました。結果は+224,930円。勝因はモメンタムにうまく乗れたことです。
一方で最大の反省は、10万円を超えた時点で半分だけ利確しなかったことです。全部持つか全部売るかの二択にしてしまったため、下落を見てから慌てて判断する形になりました。半分でも利確していれば、残り半分は気持ちに余裕を持って持ち続けられたはずです。
買う理由は100時間かけて考えるのに、降り方は5分も考えていなかった。これが一番の欠陥でした。7月には6万円台で買った分を8万2千円で手放し、こちらは+20万円。ここでも「上がったから売る」だけで、事前のルールはありませんでした。
マイクロンで−20万円。負けたのは銘柄選定ではなく買い方
同じ半導体でも、マイクロンでは負けました。最初に400ドルで1株を買い、その後の6株を1000ドル付近で買い増したため、平均取得単価が一気に悪化しました。
決め手になったのは、キオクシアが好決算を出しても株価が下がった場面です。ここから崩れる可能性が高いと判断し、−20万円で損切りしました。判断自体は今でも間違っていなかったと思っています。
問題は入り方です。上がっている途中で数量を増やす行為は、モメンタムに乗っているつもりで、実際にはモメンタムの終盤を買っているだけでした。しかも枚数の大半が高い価格帯に集まったので、少し下げただけで含み損が膨らむ構造になっていた。モメンタム投資は、思っていたよりずっと難しいです。
好決算で株価が下がる、という事実を体で覚えた
この決算シーズンで一番の学びは「良い決算=株価が上がる」ではない、ということです。キオクシアはとんでもない決算を出しても株価が若干下がり、サンディスクは好決算で−10%になりました。トヨタは好決算に加えて1兆円の自社株買いを発表しても、PTSではほとんど反応しませんでした(理由は円安と為替の構造で詳しく書いています)。
株価が反応するのは数字の絶対値ではなく、市場の期待をどれだけ超えたかです。すでに強い期待が織り込まれている銘柄では、良い数字は「材料出尽くし」に変わります。だからキオクシアの2回目以降は、上に行くか下に行くか分からないと判断してノータッチにしました。
決算を宝くじの抽選日のように待っていた頃の自分に、これだけは伝えたいです。決算で見るべきは内容ではなく、発表前に株価がどこまで上がっているかです。
個別株に100時間かけて、買ったのは2銘柄だけだった
この半年でやったことを正直に書きます。四季報を約2000ページ読破し、話題の会社の決算資料を確認し、良さそうな銘柄は有価証券報告書まで読みました。費やした時間は100時間を超えます。
それで実際に買ったのは、キオクシアとマイクロンの2銘柄だけでした。「もうインデックスでいい」と言う人の気持ちは痛いほど分かります。労力対効果で言えば、オルカンやS&P500を積み立てて放置するほうが圧倒的に効率的です。GPIFが四半期で+24.1兆円という過去最高を出したやり方も、結局は全世界に分散して長期で放置するだけの話でした。
それでも個別株をやめないのは、単純に楽しいからです。ただ、楽しさとリターンは別会計にしています。だから資産の大半は投資信託と暗号資産で、個別株は1割だけです(総資産1,500万円の内訳はこちらで公開しています)。月収13万円・借金400万円だった頃の自分に説明できない賭け方は、二度としません。
数字が良すぎる決算は、サイクルの終わりが近いサイン
2026年1Qのサムスン電子は売上高133.9兆ウォン、営業利益57.2兆ウォン、純利益47兆ウォン。前年比で営業利益は+756%、純利益は+474%という爆益でした。半導体部門だけで営業利益53.7兆ウォンです。
当時の僕はこれを「祭りだ」と受け取りました。次はマイクロンの決算も爆益になるだろう、と。実際その通りになりました。でも株価は、決算が良いことよりも、その利益が続くかどうかを見ていました。
半導体はサイクル産業だと知識としては知っていたのに、サイクルの終わりを具体的に想像していませんでした。前年比+756%という数字は、翌年に同じ伸びを出すのがほぼ不可能だという意味でもあります。良すぎる決算は、期待の天井が近いことを教えてくれるサインでもありました。
ここを理解してからは、決算の数字を見るときに必ず「この利益は来年も出せるか」を先に考えるようにしています。持続性のない利益に高い株価は付きません。
臆病投資家の半導体ルール4つ
1つ目。買う理由と同じ精度で、売る条件を先に決める。天井を当てる条件ではなく、シナリオが崩れる条件を書いておく。
2つ目。目標株価に届いたら、まず半分だけ利確する。判断に余裕を作るためのコストだと考える。
3つ目。上昇途中の買い増しは平均単価を壊す。増やすなら最初から予定していた分だけにする。
4つ目。好決算は上昇を保証しない。発表前に上がりすぎている銘柄は、良い数字でも売られる前提で持つ。
+22万円も+20万円も−20万円も、この4つを覚えるための授業料でした。次の半導体相場が来たとき、同じ月謝を払わないようにしたいです。
※本記事は個人の実際の取引記録と考えを書いたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。